石州瓦は、日本三大瓦の一つです。普及率は日本で2位です。
石州瓦は、島根県太田市、江津市、浜田市、益田市にまたがる地域で製造されている瓦ですが、いわゆる高級瓦として広く日本家屋に用いられています。
石州瓦の特徴は、風雨に強いことです。石州瓦は、来待釉薬がガラス状のコーティングを作るため、酸性雨から屋根を守る働きがあります。
また、風にあおられて下から上がってくる雨水にも対策がなされています。石州瓦は「組み合わせ葺き」という工法でがっちりと瓦を重ね合わせています。そのため、強い風雨に耐えられるようになっています。
風雨に加えて、寒さや塩害にも強いのが石州瓦です。
石州瓦は高温焼成で焼き上げるため、水分を残しません。水分を溜めにくくしてあるので、寒い季節にも瓦内の水分が凍って割れにつながるという心配がありません。石州瓦は硬くて吸水率が低いので、塩が表面から内部に浸透していく危険性が非常に低いのが特徴です。
石州瓦の弱みは、重量が重いことです。屋根材が重いと、どうしても建物に負担がかかります。そのため、石州瓦で葺いてある屋根は、耐震性に問題が生じる可能性があります。
熊本地震の直後、熊本県では被災家屋の修理をする際に石州瓦から別の屋根材に変えた家が多く見られました。