第六章・粘土瓦以外の瓦

住宅の屋根には瓦を葺く必要がありますが、この瓦には実にさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。まず挙げられるのは、粘土を高温で焼き上げる「粘土瓦」であり、古くからある伝統的な瓦として知られています。そして粘土瓦には、釉薬を表面にかけて焼き上げる「陶器瓦」と、何もかけず蒸し焼きによって表面に炭素膜を作る「いぶし瓦」の2種類があると言えるでしょう。特に陶器瓦については、耐久性が強く長年使ってもメンテナンスの必要がないというメリットがあると言えます。

セメント瓦
次に挙げられるのは「スレート瓦」であり、一般的には、セメントと繊維性のある素材を原料とした人造スレートがよく使われています。この人造スレートは重量が軽いためプレハブ住宅によく使われているという特徴や、値段が安いというメリットがあると言えるでしょう。さらに挙げられるのはセメントと砂を原料とした「セメント瓦」であり、和形をはじめ洋形のものも多くあります。セメント瓦の場合は塗料で色を付けるため、さまざまな色のものを選べることや、値段の安さがメリットだと言えるでしょう。ただし長く使っていると塗料が劣化し、瓦自体の劣化にもつながるため、数年ごとに塗装のメンテナンスをする必要があります。