第三章瓦の種類|製法で分類

粘土瓦は製法によって釉薬瓦(陶器瓦)、いぶし瓦、無釉薬瓦に分けられます。791986487-roofs-200804_1920-y672-320x213-mm-100

釉薬瓦

成型した粘土に釉薬を塗って焼成したもの。釉薬を用いるので陶器瓦とも呼ばれる。釉薬の種類や配合により色のものが作れる。
釉薬が塗られるのは表側だけなので、裏面は素地の色(明るいレンガ色等)となる。釉薬の代わりに塩を用いて赤褐色の珪酸ナトリウムのガラス状被膜を形成する塩焼き瓦も釉薬に含まれる。

いぶし瓦

成型した粘土を焼成した後、いぶした(燻化)したもの。窯の中の分解された炭素が瓦表面を覆って薄膜を形成する。古くは燻化工程に松葉などを窯にくべていたが、現在ではブタンガスが用いられる。燻化工程では昔からナノテクノロジーを用いた化学蒸着法と同じ技術が用いられていた。瓦全体が燻化されるため、全体がいぶし銀~黒となる。

無釉瓦

釉薬せず、成型した粘土をそのままを焼き上げたもの。素焼瓦とも呼ばれる。瓦の表面に色をつけたり、変化をつけるため、年度中に金属酸化物を埋め込んだもの、窯の温度を変えてつくる窯変瓦も無釉瓦に分類される。